■ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2009・・オリジナル・ブロンズ像 |
ネイルに携わった集大成として、絵画か彫刻かその想いを形で残そうと想い始めたのを切っ 掛けに、協会のオフィシャル・トロフィーとして、そのイメージを表す手・指・爪のブロンズ像を 造ろうという構想が芽生えていました。 誰でも癒される仏像の手の表情、ジェスチャーは、仏教用語では印相[いんそう]と云います。 それぞれの印相には諸仏の悟りの内容、性格、働きなどを表わす教義的な意味があります。 興味を持ち始めてから、各地の仏像などをみてまわり、特に関西方面に出かける時は、京都の 神社仏閣を拝観して、仏像の指先の動きなどを観察していました。 協会創立20周年記念の引き出物を定めるにあたり、予算の範囲内でクリスタルのペーパー・ ウエイトを創作、中心にレーザーで手のポーズを浮彫りにさせました。その原型は京都太秦(う ずまさ)広隆寺の弥勒菩薩です。苦心作でしたが誰も気づきはしなかったと思います。 この度は、協会発足時より、理事として協会の存続維持・発展向上に対して大いに寄与すると 共に、技術者集団の根幹を成す講師会幹部として、ネイリスト技術向上に顕著なる貢献を続けた GMEの皆様に対して、その功績と名誉を永久に讃える為のメモリアル・アートの授与、さらに 感謝の意を伝えられるセレモニーが実現することになり、念願の協会ブロンズ像の作成に誠意と 愛情を込め、これまでのキャリアのすべて投入してデザインいたしました。 新たな素材探しは、東南アジアでのリゾート地まで拡大して、民族舞踊での指先の動き等も 必ずチェックをしてました、特にインドネシア・バリ島のウブド地区の俗に言う「芸術村」には 興味津々で、独特で細密な水彩画には、伝統的な技法が受け告げられており目を奪われてしま います。さらに山奥に入ると、木彫アートも盛んに造られ、特に手の彫刻も数々あり、全て印相 ポーズが掘られていました。再び訪れた時に、「釈迦如来」の印相でもある親指と中指で軽く円を 描いている右手のポーズに出会い、これをベースにデザインすることに決めました。 フォルムにシャープさを表現すると共に、協会の心をアピールするために親指に添えた中指 にだけクラシカルなオーバル型の爪をハッキリと形付け、他の指を長めに、爪は暈かしました。 さらに、理事バッチを模したメタル付のシンプルなブレスを下げオリジナル性を表現しました。 皆さんのデスクに置いて頂きたい為に、あえて保管用の木箱は造りませんでした。 「釈迦如来」は、いわゆるお釈迦さま、仏教の開祖です。世の中の道理、自然の摂理を体得し、 一切の迷いを離れて悟りを開かれました。無常の理を説き、道理を示し不安も除いてくれます。 これからの協会の進むべき道を暖かく見守ってくれることでしょう。 作者の願いでもあります。
尚、ブロンズ像の高さは、アカデミー賞のオスカーと同じサイズにしました。
2009.11.30. 藤 原 洋 二
*印相=鎌倉大仏のように両手を膝の上で組み合わせるもの、奈良の大仏のように右手を挙げ、 左手を下げるものなど、両手の示すポーズ、すなわち印相には決まったパターンがある。 それぞれの印相には諸仏の悟りの内容、性格、働きなどを表わす教義的な意味があり、仏像が どの印相を結んでいるかによって、その仏像が何であるか、ある程度推測がつく。
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