| ■ 第２０回 兼光 アキ子 ・・・・・・・・・・・・ vol.38 2002年4月 |
協会講師会の生え抜きネイリストとして、創生期より積極的に活躍、広尾の一角に素晴らしいサロン「ヴィアンヴィアン」を構え、早くから次代を予測して、サロン技術のあり方を提唱している新理事のリーダー、兼光アキ子さんにスポットを当てました。
1963年10月11日大阪生まれ、韓国籍。ご家族はお母さんと1人兄姉妹、お父さんは95年に他界。小さいときは美容師に憧れており、高校卒業後、バンタンデザイン研究所に通い。ＯＬ経験後、「何か手に職を付けたい」と思い昼間は洋裁学校へ行き、夜は、パタンナーを目指して猛勉強。
いざ、就職をする段になり、なぜか服飾関係に進むのを躊躇していた頃、母国、韓国への留学の話があり、ソウル大学へ語学留学。しかし、やむを得ない理由で帰国しなければならなくなり、進路に迷っているときに、ＴＶでネイリストという仕事があることを知り、「これだ！」と、直感したとのこと。
その頃を、目を輝かしてこう回想する「それからというモノ、会う人ごとに『どうしたら、ネイルの勉強ができるの』と聞きまくり、なんだかわからない未知の職業にワクワクする毎日でした。そして、紹介頂いたのが“スリーエスサロンシステム”で、我が師・仲宗根幸子との出会いでした。以来、ネイルの基本技術はすべて仲宗根の元でトレーニング＆トレーニング、特に物事を学ぶ“姿勢”の大切さを教わりました。その間“スーパーネイル”のプロモーションで、スクール・臨店講習・撮影・ショー企画等、ネイルに関するすべてを学ぶことができました。」
コンテスト歴は、84年の理美容総合芸術国際選手権大会「アメリカンネイル第2位」に始まり、91年に念願のJNAグランドチャンピオンなど多彩で、92年「WINBA」、97年「ＩＢＳニューヨーク」、01年「INC上海」が好印象とのこと。そして、96年には「初代TVチャンピオン」に輝いている。
早くから、サロン経営にも着手、95年に西麻布に「ヴィアンヴィアン」をオープン。その名前の由来は、フランス語で「おいでおいで」「こっちこっち」といった親愛を込めた言葉で、10年来のお客様でいらっしゃる皇族の方が名付け親です。これでおわかりの様に、都会的に洗練されたハイソな方がお客様の主流を占めており、99年に広尾に移転。
サロンのモットーは「確かな技術」、山中由香里、肥後美貴を始め技術者の層の厚さでは、他店には、絶対に負けない自信を持っている。現在のスタッフは15名にて、5台のテーブルと3台のベッド(個室)をこなしている。
技術レベルが高水準であることは、コンペの成績でも証明されている、全日本選手権において、歴代チャンプ4名。総合部門4年連続3位以内入賞。前年度は、プロスカルプチア10位以内に3名、ケア2名が入賞している。
ネイルビジネスについて、近未来への本音を語ってもらった「始めた頃は、ネイルをするのは特別な人だけで、価格設定も驚くほど高く、世間からは眉をひそめられるような感じだった。技術者は少ない情報・材料で精いっぱいで、今から思うと恐ろしいようなことがたくさんありました。現在は、技術レベルが数段アップされ、ネイルが世間に認知されてきて、憧れの職業になっています。これは同時に、必然的にお客様も多様化して、目も養われ、対価に応じた内容を要求してきているということです。もっと普及させるためには、時代感覚を養い、一人のお客様に何時間もかけるという様な丁寧すぎるサービスは改善すべきだと思う、無駄をなくし低コストで、スピーディなサロン展開をしていきたい。そのために常に前を見て、技術を磨き、追求していかなければなりません。スピーディというのは、サービスを“省略”するのではなく“凝縮”することです。」
後輩に一言「好きな仕事を得るという、こんなに素晴らしいことはないと思います。まだまだ歴史の浅い職業だけど自由な発想でどんどんネイルを広げていって欲しいです。技術の向上！！をお忘れなく」と、力強く語った。
ネイリストに不可欠なビジネス感覚を持ち、サロンオーナーとしての未来像がシッカリ描かれている。協会の最大課題、ネイル人口(消費者)の拡大に対し、実体験からの貴重な発言、そして秘めたる企画力が、次期リーダーとして発揮されることを期待したい。
夏には、素晴らしいNEWSが聞かれそうデス。
<2002年4月記 原文>
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