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■ 第18回   ケビン・リー  ・・・・・・・・・・・・  vol.36  2001年 10月

マスコミは、「ネイルアート」を現代語に加えてくれた。業界としてはその前に、と文句を言いたいところだが、解りやすいので迎合しておこう。ファッションリーダーを始め、タレントさんたちも競って装う様になった、これはネイリストの皆様の不断の努力の賜物であり、NAIL-MAX等専門誌の露出度の貢献も大きい。
そのネイルアートの分野にて、人気急上昇なのが、エアーブラシのケビン・リー。最近、協会のイベントでは、多くのファンを集めている。そんな彼の横顔を紹介しよう。
生まれは韓国。小さいときから画家志望で、最初に付いた仕事が映画のポスター・看板を画く事。芸術家を目指しモダンアートを極めたいと26才の時渡米。ニューヨーク(NY)で絵を描いているときに、友人のネイルアーチストの薦めにより、エアーブラシを用いてネイル・チップに作品を描いたのがきっかけで、以来、「ネイルアート」を中心とした作品を創り続けている。
現在は、NYを中心に、ネイルスクールにてエアーブラシの教育を担当しているが、この2年間は、日本を始め東南アジア、ヨーロッパ諸国、そして南米迄、リクエストに応え、セミナーを開催しており、一年の内、半年以上はアメリカ以外で過ごしている。
初来日は、1999年の9月、今夏の大阪の「ネイルフェスティバル」が、ちょうど10回目とのこと。デモの会場で、日本の印象についていろいろ聞いてみた、言葉を選びながらケビンの感じたことを率直に話してくれた。 
 日本のネイリストの良い所は−「皆さんがネイル全般に渡り興味をもっているところ、技術向上への熱意が伝わってきます」
 では、弱点は−−「一度経験してしまうとそれで満足してしまう人が多い、常にトレーニングを重ねていないとレッスン不足になリます」
 日本のネイルサロンは−−「アメリカに比べて小さなスペースを上手く利用している。アートサンプルが多く準備されていてお客様が選びやすくなっているのがよい。しかし、もっと技術時間を短縮すれば多くの仕事が出来ます」
 協会に一言−−「ネイルビジネスがめざましく発展していると聞いてますし、実際にイベントでも目にしています。


世界に例のない組織力によって産業としても健全的に発展していく様が感じられます。会員がもっと積極的に世界の良い技術をサロンワークに加えられる機会を創って貰いたい」
 エアーブラシを極めたい技術者にアドバイス−「アートの仕上がりをイメージし、作成することはとても大切ですが、まず基本のツールや色彩の知識、繊細な部分の吹き加減をしっかり身につけ、常に道具に触れていることをお奨めします。」
 そして、自己アピール−−「エアーブラシの特性を活かすために次の2点を重視しています。
<1.サロンワークに役立つスピード仕上げ。2.平面上での立体感のある仕上がり>皆さん、NAIL-EXPO(11月・東京)で、僕の技術をぜひ見てください。そしてプロの技を身につけましょう」
こんなケビンを見つけだし、日本の舞台に立たせたネイルファクトリーの廣田直子さんは、「NY在住のスタッフがショウで彼の技術に釘付けになり、何回かの交渉の結果、教育重視の活動と云う条件でスタートに漕ぎつけた」とのエピソード。
「人気のヒミツは、繊細な技術に尽きると思いますが、スピード(10本を20分)とデザイン性(遠近感)が最大の魅力です」と語ってくれた。
機会があったらケビンの作風に触れて見よう。
エアーブラシというのは、近代美術の世界では歴史は古く幾多の名作をうみだしている。私事だが美大へ入るきっかけもNYの「MOMA」での多くの作品に出会ってからである。それがネイルのアートとして登場したので興味深く、その動向を追い続けてきた。現代の技術者では、エレガンスさを伝承する金子実由喜、エンターテーメントの有東秀峰、倉えりかの気迫、若手では佐藤樹梨を注目している。そこにケビンが新風を・・・。
今年もEXPO「アートチップアワード」応募の力作が集まり始めた。ネイルという、小さなキャンバスに無限の可能性を秘めるネイルアートの世界。
オリジナリティを醸し出す新しい素材は、まだまだ「世界堂」に眠っている。

<3001年10月記 原文>


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